大槻 和弘(おおつきかずひろ)|相模原市議会議員(南区)

政治資金の私的流用

東京都知事の政治資金の使途について公私混同、私的流用疑惑が話題となっている。

地方議会の場合、政治活動費は、以前、政務調査費とされ政策立案のための調査や事務など大まかだが範囲が限定されていたが、その後調査費は活動費とされ、政治活動全般へと範囲が拡大された。

都知事が会見で述べたように、自民党では内規により厳しく使途が抑制されている。しかし、都知事は参議院議員時代に自民党を離党し、新党を立ち上げて以来、支出に対して慢心があったと語った。

相模原市議会においては、私が在籍していた頃に政務調査費の使途基準を作成し、内規による一定の抑制が働いていたと考える。

しかし、私は、人として一般的な生活で発生する支出、例えば3度の食事や、1〜2紙程度の新聞購読料などは疎か、普段の生活や個人の趣味での支出に政治活動に資するという拡大解釈による理由をつけて、何でもかんでも公費である政治活動費に含めて掠め取っているような状況があるとすれば、これは異常なことである。

世の中には、けっして多くはない収入で懸命に生活をしている方はたくさんいる。私は、この一年、最低賃金の時間給でアルバイトを続け、生活を維持してきた。日焼けし額に汗して働いた収入で食事がいただける幸せを実感している。そして、このところの都知事に関する報道を苦々しく思っている一人である。

政治活動には一般生活では計れない様々な支出があることも事実である。しかしながら、行政を代表する者、市民を代表する者には、真に政を行うに相応しい識見と、素肌感覚を持っているかが問われていると考える。

 

投稿日:2016年6月7日