大槻 和弘(おおつきかずひろ)|相模原市議会議員(南区)

認知症の方と家族が地域で安心して暮らすために

国は高齢者介護を在宅へと誘導している。しかし、高齢者介護は介護する側の負担が大きいため施設や病院など受け皿の十分な整備が求められている。
今朝のラジオで、訪問診療に力を注いでいらっしゃる医師が高齢者にとって何が望ましいか、介護の姿とはどうあるべきかという答えの出ないジレンマについて話されていた。
高齢者が自宅で、地域で暮らし続けるためには未だ高いハードルがたくさんある。報道でも介護離職、老老介護などの課題が頻繁に取り沙汰されている。そして地域の無理解も障害として大きな要素ではないだろうか。認知症の徘徊高齢者の保護や、問題行動に対して、人として理解があれば優しい見守りや保護行動に結びつくものだろうと考える。
以前から頻繁に地域防災無線(相模原市では、ひばり放送)を利用して行方不明高齢者の情報提供を呼びかける放送がされている。残念ながら放送は虚しく宙に消える状況だ。携帯端末でも放送の内容を見ることができるシステムがあるが理解度はあまり進んでいないようだ。
このような状況の中、認知症徘徊者の早期発見に向けて具体的な施策が群馬県で進められている。今後の各自治体での取り組みを期待したい。
以下、各紙が報道している中、産経新聞の記事を引用させていただく。
   
認知症徘徊者を早期発見へ 渋川市と榛東村が警察と連携強化
産経新聞 4月5日(火)7時55分配信
   
 渋川市、榛東村、渋川署は認知症徘徊高齢者の保護対策に関わる協定を結んだ。同様の協定は高崎市などに続いて県内4例目。警察と自治体の連携強化で、家族の同意を得て事前登録した認知症の高齢者らの顔写真、身体的特徴などの情報や衛星利用測位システム(GPS)を用いて早期発見、保護を目指す。

 徘徊の恐れのある人が行方不明になった場合、より迅速に防災無線や県警の情報発信メール「上州くん安全・安心メール」で知らせることが可能になる。

 渋川市の阿久津貞司市長は「家族が安心して介護できるようなシステムを構築し、行政と警察、市民の力を借りてしっかりと対応したい」と話した。渋川署の中野敏和署長も「協定を契機に、早期発見・保護に努めたい」と期待を寄せた。

 平成27年中の認知症や疑いのある高齢者の行方不明の件数は222人(前年比45人増)で23年の141人より大幅に増加している。

 県警は、3月から「上州くん安全・安心メール」で不明者の画像配信を新たに開始したが、家族が画像公開にためらいがあることなどもあり、画像付きのメール配信はできていない。

投稿日:2016年4月14日