大槻 和弘(おおつきかずひろ)|相模原市議会議員(南区)

9月定例会議で一般質問に登壇

相模原市議会9月定例会議 9月26日本会議で一般質問に登壇しました。

以下、質問要旨です。

1 防災対策について

(1)女性視点の反映について

  ア これまでの取組について

令和4年に就任された鈴木前危機管理監は、女性ならではの視点から、本市の防災対策にどのような改革や改善に取組まれ、どのような成果を残されたのか。

市長答弁

・昨年度は、女性が安心して避難できるよう、防犯対策用ホイッスルの備蓄や、乳児用段ボールベッドの導入など、避難所環境の向上を図った。

・防災マイスターを対象とした研修では、女性消防士の方を講師として迎え、避難所運営等への女性参画の重要性や避難生活を行う上で、性別による配慮すべき視点などについて、知識を深める取組を行った。

イ 今後の取組について

政府は「女性活躍・男女共同参画の重点方針2024」において、自治体の防災部門への女性職員配置の必要性を示している。本市では、どのような取組みを予定しているのか。

市長答弁

・本市では、防災部門への女性職員の配置について、危機管理局のみならず、災害時の避難所運営を支援する担当者にも女性職員を選任するなど、防災分野への参画を積極的に推進することとしている。

・今後も女性が活躍することで、より充実した防災対策が実施できるよう適切な職員配置に取り組んで行く。

ウ 組織内の状況について

本市の防災関係部門における女性職員の配置状況は。また、女性職員がより活躍できるような環境づくりに向けて、どのような取組みを行っているか。

市長答弁

・現在、危機管理局の女性職員は7名で、局職員の25%となっており、令和5年度の全国市区長村平均11.5%を上回る状況。

・局以内においては、性別や年齢などの区別なく、防災事務に従事しやすい環境づくりのため、女性専用の仮眠室を設けるとともに、緊急事態に備えた自宅待機の当番回数を減らすなどの取組を行っている。

(2)避難所運営について

ア 避難所運営体制の評価と今後の取組について

本市では、災害時の避難所運営を避難者主体で行う方針のもと、その準備を避難所運営協議会などが中心となって進めている。現在の本市の避難所運営体制について、どのように評価しているのか、これまでの災害事例を踏まえてどのような課題を把握し、今後改善に向けどのように取組むのか。

市長答弁

・本市では、地域の皆様が避難所運営協議会を組織し、地域の状況を踏まえた訓練や避難所のルール作りなどを行っていることから、災害時における円滑な運営が可能であると考えている。

・一方、災害時には、訓練に参加していない方や、避難所のルールを認識していない方々が避難されて、混乱が生じる恐れがあることは課題と捉えており、今後、防災対策スーパーバイザー制度の導入等により、訓練や、自助、共助についての普及啓発に取り組んでいる。

イ 避難所運営のICT化について

(ア)マイナンバーカードを活用した受付の効率化について

神奈川県は、マイナンバーカードを活用した避難者受付を県内全域への導入を検討していると報道されている。

本市の、この実証実験に対する評価を伺うとともに、導入についての見解を伺う。

市長答弁

・国と神奈川県が合同で実施した実証実験結果では、マイナンバーカードによる避難所入所手続は、手書きで行う従来の方法と比べ、約9割手続き時間を削減できたなどの成果が報告されており、本市としても導入することで、避難所運営の効率化が図られるものと高く評価している。

(イ)防災におけるICT化の展望について

また、今後、防災上のどのような分野や業務にICT化を進める考えか伺う。

市長答弁

・本市における今後のICT化については、実証実験の成果や費用対効果を踏まえた、国の動向を注視していく。

ウ 避難所等における生活用水確保について

(ア)現在の状況について

災害時の避難所等における生活用水は、校舎設置の貯水タンクやプールの溜め水の活用を想定していると承知しているが、指定避難所等における生活用水の確保の状況をどのように把握し、その充足率はどの程度か伺う。

市長答弁

・本市では、大規模地震発生1週間後の断水被害想定人数を約43万人と推計していますが、現在、市全体としては、72万市民の5日分を確保していますが、利用可能な生活用水が少ない地区もあると認識している。

(イ)学校プールの必要性について

また、昨今、老朽化したプールの廃止が議論されているが、防災上の観点からプールの必要性についての見解を伺う。

市長答弁

・学校のプールの水については、市地域防災計画等で災害時の生活用水や消防水利として活用するとしているため、プールの廃止等にあたっては、地域の状況を踏まえ、存続や撤去、代替設備の設置など個別に検討を行っている。

(ウ)災害対策用井戸の設置について

さらに、安定的な生活用水の確保に向けては指定避難所となる学校敷地内に災害対策用井戸を設置すべきと考えるが見解を伺う。

市長答弁

・避難所となる学校に井戸を設置することは、災害時における生活用水の確保策のひとつとして考えている。

・生活用水の確保策については、現在、実施している災害時協力井戸の水量調査や防災アセスメント調査の結果に基づく、断水被害想定人数を踏まえ、検討していく。

エ 災害時の電力確保について

(ア)電力確保の状況について

本市では非常用発電設備の設置や発電機などを備蓄しているが、災害時の避難所の電力確保についてどのように想定しているのか伺うとともに、具体的な対策状況を伺う。

市長答弁

・本市の避難所の非常用発電設備は、発電用の燃料の供給体制が整うまでの間、電力供給が維持できるよう連続して12時間以上稼働する設備を設置している。

(イ)太陽光発電設備の導入について

千葉市では、太陽光発電設備を初期費用の負担なしで2日分の電力確保に取組んでいるが、本市ではこの取組をどのように評価しているのか伺う。また、本市の避難所への太陽光発電設備の導入による電力の確保に対する効果について見解を伺う。

市長答弁

・太陽光発電設備による電力の確保については、災害時の安定的な電力供給に効果があるものと認識している。

・本市では、脱酸素社会の実現に向けた取組として、公共施設への太陽光発電設備等の設置を進めており、既存の非常用発電設備を補完する機能としても一定の効果があるものと考えている。

オ キーボックスの設置について

昨年9月の一般質問では、災害時の避難所開設の迅速化に向け、学校施設へのキーボックス導入を提案した。答弁では学校施設管理者等の理解が必要との回答があったが、その後、どのように検討や手続きが進められてきたのか伺う。

市長答弁

・災害時において、速やかに避難所を開設するために、関係者誰もが鍵を開けられるよう、キーボックスを設置することは有効であると考えている。

・現在、モデル的に導入する避難所の選定を始めており、今後、キーボックスの種類や設置場所等の具体的な検討を進めた上で、設置後の運用方法について地域等と調整を行い、本年度中に3か所程度の設置を行う予定。

 

(3)自主防災訓練について

  ア 訓練の受付について

(ア)訓練ニーズに対応できる体制整備について

自主防災訓練の受付窓口は消防署・分署において一括して行っていると承知している。しかし、福祉部門の訓練など消防以外の支援が必要となる訓練については、対応が十分ではないと聞いている。多様な訓練ニーズに対応できる体制整備が必要と考えるが見解を伺う。

市長答弁

・訓練の受付にあたっては、これまでも地域や自主防災組織からの要望等を受け、窓口を消防署や分署に一元化するなどの改善を図っている。

・なお、福祉部門の訓練は、専門的かつ内容が多岐にわたるため、多くの関係団体との事前の調整が必要となることから、窓口の一元化は難しいと考えますが、地域の皆様の負担が少なくなるよう、引き続き、申込み手続きの簡素化に努めていく。

(イ)大規模な防災訓練への対応について (警防課 山縣課長99251)

また、規模の大きな訓練については1署では賄えない場合もあるため、複数署での対応などの体制づくりを求めるが見解を伺う。

市長答弁

・自主防災訓練に消防職員などを派遣し、育成指導することにつきましては、地域の安全や防災力の向上に大変重要な役割を担うものと認識している。

・こうしたことから、自主防災組織のニーズを適切に把握し、訓練規模に応じた人数を派遣できるよう、体制を強化していく。

(ウ)地区連合自主防災訓練と他の自主防災訓練の区分について

現在、地区連合自主防災訓練と一般の自主防災訓練の受付を同列に行っているようだが、地区連合自主防災訓練については、訓練の日程を確保できない場合もあるため、人員や機材確保について別枠で受付するなどの配慮が必要ではないかと考えるが見解を伺う。

市長答弁

・地区連合自主防災組織等が行う大規模な訓練は、参加者や訓練項目も多くなるため、調整や準備に時間を要し、訓練の時期によっては、消防職員等の派遣や防災資機材の確保が希望に添えない場合もがあると認識している。

・こうした大規模な訓練を実施する場合には、訓練計画を早めに定めて、申込みを行っていただくよう、各防災組織にお伝えするとともに、訓練が円滑に実施できるよう、調整していく。

  イ 訓練用資機材の充実について

(ア)資機材の利用申込み状況について

自主防災組織からは、訓練受付に際して、防災訓練用資機材の確保が難しく、訓練メニューを減らさざるを得ないとの声がある。そこで、訓練用資機材の利用申込みの状況を伺う。

市長答弁

・昨年度の自主防災組織の訓練件数は612件で、その内、主な訓練用資機材の貸出件数は起震車が76件、煙体験ハウスが95件となっている。

(イ)充足状況と今後の充実について

また、現在の資機材の充足状況を伺うとともに、更なる充実について見解を伺う。

市長答弁

・現在、起震車3台と煙体験ハウス4台を所有し、概ね、運用ができていることから、拡充の予定はないが、9月から11月までの間は貸出希望が集中し希望に添えないこともあるため、市ホームページに過去の年間利用状況を掲載し、あらかじめ訓練候補日の検討を行っていただくよう、周知している。

 ウ 非常用ポンプ訓練における水利使用料について

非常用ポンプの訓練では貯水槽等の水利を使用した場合、使用した水の補充分の費用について自主防災組織に負担を求められているケースを聞いている。

そこで、自主防災訓練における水利の利用について、どのような場合に費用が発生するのか伺うとともに、今後の対応について伺う。

市長答弁

・火災や自主防災訓練などで使用した消防水利の使用料につきましては、市が水道事業者に届出を行うことで、徴収されないこととなっている。

・市が届出を行うためには、消防水利の使用を事前に把握する必要があることから手続きの方法などについて「自主防災組織の手引き」に明記するとともに、受付時に丁寧に説明し、対応していく。

投稿日:2024年11月1日