震災時の初動対応に重点を置いた体験談(講演会)
10月28日に相模台公民館で開催された講演会に参加しました。
相模台地区自治会連合会の主催で、「震災時の初動対応に重点を置いた体験談」と題して、東日本大震災発生時に仙台空港ビル株式会社社長で、元宮城県副知事の伊藤克彦氏を講師に講演が行われました。
平成23年3月11日に発生した東日本大震災では、津波による被害がこれからの防災対策に様々な教訓を残しています。この時講師の伊藤氏は、仙台空港の責任者として想定してもいなかった事態への対応を迫られました。空港には乗客や職員の他に、周辺地域との災害協定により地域住民も空港ビルに避難しました。避難者1,695人は、空港一帯の冠水が収まり脱出が可能となるまでの4日間を空港ビル3階のフロアーで過ごしました。電力他のライフラインの途絶の中の対応となりました。
以下、対応について要点をまとめました。
1 外部との連絡(偶々繋がった携帯で他空港の職員を通じてNHKに状況を知らせた。)
2 避難者の把握(氏名、性別、年齢、連絡先等の名簿作成。)
3 避難者を小グループに分けた管理体制(航空会社毎の乗客、職員、地域住民など約10のグループを編成。)
4 死傷者を出さない「目標」を設定。
5 施設内の売店レストランなどの食料を空港ビル会社が買い上げ、避難者へ配布。(最低限の公平な配布でパニックはなかった。)
6 トイレは、ビニール袋を配布し、使用後は一箇所に回収。
7 ボートによる先発救助隊が到着し、重度身障者等を搬送。この時、携帯電話充電器、電池、照明用電池などを要請。
8 救出時の順番を決めた。重度障害者、子供‥など。
9 ローソクの使用、飲酒は禁止した。
10 冷静な判断に徹した。
11 4日目には、冠水も緩和され自主的に退避できる方も出てきた。
投稿日:2016年10月30日