大槻 和弘(おおつきかずひろ)|相模原市議会議員(南区)

名古屋市基幹バスの行政視察報告

11月7日(月)に、南区議員有志で構成する「新しい交通システム議員連盟」で名古屋市に行政視察を実施した。当日は、自民党相模原市議団から5名、公明党から3名、民進党から2名、計10名が参加。

午後1時30分より名古屋市東庁舎4階の市議会交通委員会室にて、名古屋市交通局自動車運行主幹より、名古屋市の「基幹バス」について説明を受けた。以下、要点を整理。

◯市営バスの概要

事業規模:163系統  営業キロ数:763㎞  停留所数:1,448箇所  車両数:1012両

1日当たりの走行キロ数:約9.8万㎞   乗車人員:約34万人

*身近な市民の足と位置づけ。

 

img_3141img_3143img_3139

1 基幹バス構想

(1)背景:昭和59年度、61年度の統計から名古屋市では公共交通利用が全体の30%、70%は自家用車利用。他市の自家用車利用は東京都では14.3%、大阪市では26.3%だった。名古屋市の公共交通充実の必要性が顕著。

(2)構想の提案:公共交通機関優先の原則に立った総合交通体系の確立

(3)位置づけ:幹線路線→鉄道・地下鉄・基幹バス  *一般バス路線は幹線路線を補完する。

◯基幹バス路線を設定すべき路線

①地下鉄が整備されるまでの間、代替基幹として整備。

②地下鉄の計画はないが、基幹的交通機関の必要な箇所に整備。

(4)基幹バス構想:

①道路中央部に専用車線、乗降は専用車線に沿った乗降島。最低幅員25m

②交差点には専用優先信号を設置し、交差点での停止をなくす。停留所間隔は、地下鉄並みの800〜1,000m、表定速度25㎞/hを目標。

(5)利点:

①道路交通渋滞の影響を受けない

②従来のバスを大幅に上回る表定速度での運行が可能

③既存の道路ストックを利用でき、整備に要する費用は小さい。

*既存の幅員40メートル、4車線の道路を利用。

 

img_3150

2 具体化への検討

(1)運行システムと関係法令

◯東郊線 路側走行方式(左側車線走行)

①区間10.46㎞の内バスレーン6.75㎞

②特徴:急行運転方式、バスレーンのカラー舗装、高密度運行など

◯新出来町線 中央走行方式(乗降島バス停)

①区間10.21㎞の内バスレーン9.20㎞

②利点:駐停車車両の影響を受けない。左折車混入の影響を受けないなどから、高速運行、高密度運行、定時制の確保が可能。

*システム導入には、道路法・道路法施行令・道路構造法など関係法令の条件が厳しい。特に中央走行方式は、名古屋市で導入した後は例がない。

 

img_3147

3 状況と課題

(1)利用者の評価:東効線では、63.1%が良かったと評価。新出来町線では、83.1%が良かったと評価。

(2)事業費:東効線6億2000万円(内補助金1億3600万円)キロあたり事業費6000万円。

新出来町線24億4000万円(内補助金3億2600万円)キロあたり事業費2億3600万円*地下鉄事業費の1/50

(3)課題:基幹バスは、モデル路線として2路線が運行を開始したが、物理的・制度的条件から必ずしも構想道理ではない。今後、一層充実した内容で整備していくためには、以下の課題がある。

◯表定速度向上のための施策

◯定時制確保のための施策

◯結節点整備の充実

◯車両の大型化など需要増に対する施策

 

img_3151

4 成果と感想:本市で導入が計画されている新しい交通システムのモデルとも言える名古屋市の基幹バスについて調査を行った。名古屋市では幅員40mの幹線道路など既存の道路ストックがあり本市とは状況が大きく違っている。本市での効果的な導入に向けては専用区間の設定や幅員の確保策など、県道52号の拡幅や交差点改良など大きな課題があることが理解できた。

名古屋市の担当者に、本市の状況から導入システムについての意見を求めたところ、コスト面からは路側走行方式を勧められ、中央走行方式は関係法令の壁が厚く、名古屋市以外の例がないことも再度お聞きした。この視察を通して、本市の計画について具体的なイメージが掴めたことから今後の活動に反映していきたい。

投稿日:2016年11月10日



トラックバックURL

http://otsuki-k.sakura.ne.jp/wp/wp-trackback.php?p=2087


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です