大槻 和弘(おおつきかずひろ)|相模原市議会議員(南区)

相模原市議会6月定例会議 一般質問報告(詳細)

6月27日に開催された相模原市議会本会議で一般質問を行いました。

質問項目と質問および市長等の答弁を報告致します。

《質問項目》

1 やすらぎと潤いがあふれる環境共生都市の実現に向けて

  1. 相模原市水とみどりの基本計画の取組状況について
  2. 生物多様性の保全等に関する条例について

2 住宅セーフティネットについて

  1. 民間住宅の活用について
  2. 空家等対策計画の進捗状況について

3 自治会加入の促進と活性策について

  1. 自治会加入に関する現状と課題について
  2. 自治会役員等へのメリット付与について

4 防災対策について

  1. 避難所倉庫の救助用資機材について
  2. 起震車等訓練用資機材の申込手続きについて
  3. 液状化危険地域について

(ア)液状化危険地域の把握と防災対策について

(イ)旧新磯高校の避難所活用について

 

《質問および市長等答弁》

1 やすらぎと潤いがあふれる環境共生都市の実現に向けて

【大槻】

やすらぎと潤いがあふれる環境共生都市の実現を目指していく上では、相模原の豊かな自然や環境の保全、市街地の緑化などを、より力強く進めていくとともに、生物多様性に対する理解を深め、自然環境に配慮して活動することが求められており、行政だけでなく、市民や事業者など多様な主体の協働による取組が必要であると認識している。

(1)相模原市水とみどりの基本計画の取組状況について

  ア さがみはら生物多様性ネットワークについて

【大槻】

 平成27年3月に改訂された「相模原市水とみどりの基本計画改訂版~生物多様性さがみはら戦略~」における生物多様性の理解に関する取組の成果の一つに「さがみはら生物多様性ネットワーク」の設立があるが、同団体の一年間の活動の実績と成果について伺う。

【市長】

初めに、さがみはら生物多様性ネットワークの活動実績と成果についてでございます。

昨年度は、生物多様性の保全等に関する普及啓発を行うためのリーフレットや会報紙の作成のほか、シンポジウムを開催し、講演や活動事例発表を行っており、多くの市民の皆様にご参加いただいたところでございます。

また、市民、団体、事業者、行政間の相互交流や情報交換を行うため、会員交流会を実施するなど、様々な活動を通じて、多くの皆様に、生物多様性の保全についての理解を深めていただけるものと考えております。

【大槻】

本市の自然や環境の保全についての取組、特に生物多様性さがみはら戦略が実効性あるものとなるようネットワークを通じて、市民や事業者の理解、協力を得て推進されるよう希望する。

イ 市民協働によるモニタリング調査について

【大槻】

 基本計画には、振興管理を行うための定性目標として、市民協働でのモニタリング調査による生物多様性の確保という目標が掲げられているが、進捗状況と今後の予定について伺う。

【市長】

次に、市民協働によるモニタリング調査についてでございます。

本調査は、特定の動植物を継続的に観察し、記録することにより、希少動植物の保護や多様な生物の生息・生育環境の保全を図るために、実施するものでございます。

現在、調査の実施に向けて、準備を進めており、さがみはら生物多様性ネットワークの会員をはじめ、市内で活動する個人や団体の皆様から、活動内容や調査協力の意向をお伺いしているところでございます。

今後、モニタリング調査の対象となる動植物やエリアを決定し、来年1月から調査を実施してまいりたいと考えております。

【大槻】

モニタリング調査については、生物の生息する環境の変化や生態系の動向を調査するものであり、担当者には専門的な知識が必要ではないか思うが、それを市民協働により実施することの意義について伺う。

【環境共生部長】

 モニタリング調査の意義についてでございます。モニタリング調査を市民協働で行うことで、市民の皆様の一人ひとりに、市内に生息・生育する動植物に一層の興味を持っていただき、生物多様性への理解の浸透や保全に関する意識が高まるものと期待しております。

ウ 緑地や水辺環境の保全等に関する市条例による指定地域の箇所数について

【大槻】

 基本計画では、相模原市里地里山の保全等の促進に関する条例と、相模原市ホタル舞う水辺環境の保全等の促進に関する条例による指定地域を増やすことも目標の一つに掲げられているが、現状と今後の取組を伺う。

【市長】

 次に、市条例による指定地域の現状と今後の取組についてでございます。

 さがみはら里地里山の保全等の促進に関する条例、いわゆる「里地里山条例」に基づく指定区域は1箇所、相模原市ホタル舞う水辺環境の保全等の促進に関する条例、いわゆる「ホタル条例」に基づく指定地域は3箇所で、合計4箇所となっております。

 今後も、市条例による指定地域の増加を図るため、環境保全に取り組む団体への制度説明や既存の活動団体への支援などを行い、市民の皆様による環境保全活動が持続的に展開されますよう取り組んでまいります。

(2)生物多様性の保全等に関する新たな条例について

ア 既存条例の評価について

【大槻】

本市では、ホタル条例や里地里山条例のほか、環境基本条例、地球温暖化対策推進条例、緑化条例など、様々な条例を制定し、自然環境等の保全を図っているが、一方で、緑化条例や環境保全に関する条例は、昭和47年の制定後、一度も改正されていない。

こうした、相模原市の豊かな自然や環境を守る条例について、市長はどのように評価しているのか伺う。

【市長】

 次に、自然環境に関連した既存条例についてでございます。

 本市では、環境の保全及び創造に関する基本理念を定めた「相模原市環境基本条例」をはじめ、自然環境の変化などにより多様化する課題に対応するため、「ホタル条例」や「里地里山条例」などを制定してまいりました。

 こうした条例に基づく各種施策の取組を通じて、市民、団体、事業者の皆様など多様な主体の連携による活動が促進され、本市の豊かな自然環境が保全されているものと考えております。

イ 新たな条例制定に向けた基本的な考え方について

【大槻】

水とみどりの基本計画では、生物多様性の保全を推進するための取組みの一つに「新たな条例の制定の検討」が掲げられている。例えば、西宮市の「自然と共生するまちづくりに関する条例」は、生物多様性の保全、緑の保全、水辺環境の保全に関する施策が網羅された条例となっている。

緑化条例やホタル条例などの既存条例の整理・集約等を含め、新たな条例制定に向けた基本的な考え方を伺う。

【市長】

 次に、新たな条例制定に向けた基本的な考え方についてでございます。

 生物多様性の保全等に関する諸課題に的確に対応し、効果的、計画的に施策を推進していくためには、その基本となる条例を制定する必要があるものと考えております。

 また、本市では、自然環境の保全等に関する各種施策については、個別の条例により取り組んでまいりましたが、生物多様性の視点からも関連性が深く、今後、一体的な施策展開を図ることが求められるものと認識しております。

 こうしたことから、新たな条例の制定にあたりましては、「相模原市緑化条例」や「ホタル条例」等の既存条例の整理、集約等により、生物多様性を含めた総合的な自然環境の保全ができるよう、検討してまいりたいと考えております。

【大槻】

新たな条例についてだが、現在、水とみどりの審議会において緑化条例の見直しを検討されていると承知している。審議会では、新たな条例の必要性についてはどのような意見があるのか伺う。

【環境共生部長】

 現在行っていただいている、緑化条例の改正の審議においては、生物多様性に関する新たな条例制定についての直接的なご意見は伺っておりません。

 しかしながら、緑化条例に生物多様性の保全の観点を取り入れてはどうかとのご意見をいただいておりますので、今後そうした点を踏まえ、検討を行っていく必要があるものと考えております。

【大槻】

緑化条例やホタル条例などの既存条例の制定には、これまで大変な努力と、進行管理があったものと評価する。今後は既存条例の整理・集約を進め、「総合的な自然環境の保全」 という大きなテーマに沿って、新たな条例制定に向けた取組みを進められるよう要望する。大いに期待する。

【大槻】

関連して伺う。都市化における緑地の保全についてだが、現在当麻地区や麻溝台・新磯野地区では、土地区画整理事業が進んでいる。特に当麻地区においては、事業地周辺に豊かな自然が残っているが、この地域の緑地の保全についての考え方を伺う。

【環境共生部長】

 当麻地区における緑地保全の考え方でございますが、当麻地区整備促進事業区域の隣接地におきましては、斜面緑地など、豊かな自然が残されておりますことから、連たんする区域の緑地も一体的に保全することが重要であると考えております。

 今後、良好な自然環境の保全を図るため、事業の進捗などを考慮し、「特別緑地保全地区」の指定等について検討してまいりたいと考えております。

【大槻】

是非、「特別緑地保全地区」への指定などの手法により、当麻地区の緑地の保全をお願い致します。

2 住宅セーフティネットについて

【大槻】

低所得者や高齢者、障害者、母子家庭等、住宅の確保に配慮を必要とする市民が増加しており、こうした状況も踏まえ、この4月に「建築・住まい政策課」が設置されたものと認識している。

(1)民間住宅の活用について

【大槻】

 本市のこれまでの住宅に配慮を必要とする市民に対する施策は、市営住宅の整備を基本として進められてきたと思うが、市営住宅の整備だけでは、絶対数の確保が難しく、入居者と入居できない方との間で、公平性等の問題が生じてしまう。

 こうした中、高齢者や所得の低い子育て世帯向け賃貸住宅として空き家・空き室を登録し、情報提供する制度の創設を盛り込んだ改正住宅セーフティネット法が本年4月に成立した。国土交通省は今年秋にも運用を始め、2020年度までに17万5千戸の登録を目指し、増え続ける空き家を活用し、単身のお年寄りなどの住宅確保を支援するとのことである。

 そこで、本市では市営住宅の充足率を、どのように捉えているのかを伺うとともに、今後は、国の制度改正を踏まえ、民間住宅の活用を中心とした施策に転換していくことも必要ではないかと考えるが、市長の見解を伺う。

【市長】

 次に、市営住宅の充足率と民間住宅の活用についてでございます。

 充足率につきましては、市住宅基本計画における市営住宅供給目標戸数3,220戸に対し、本年4月1日現在で2,843戸で、充足率は88,3%となっており、供給目標戸数の確保に向け、取り組んでいるところでございます。

 住宅セーフティネット法の改正への対応につきましては、今後示される事業の詳細など、国の動向を注視し、関係機関と連携を図りながら住宅の確保に特に配慮を必要とする方々の安定した居住の確保に努めてまいりたいと考えております。

なお、今後策定する次期住宅基本計画においては、市営住宅のあり方や、民間住宅の活用を中心とした住宅施策についても検討してまいりたいと考えております。

(2)空家等対策計画の進捗状況について

【大槻】

また、本市の空家等対策計画では、既に、空き家等の利活用促進が掲げられているが、マニュアルの作成等、事業の進捗状況について伺う。

【市長】

 次に、空家等対策計画に基づく事業の進捗状況についてでございます。

 本市では、これまで空き家の売買等の取引を促進する流通支援を進めてまいりました。

本年度からは、これに加えて一般社団法人神奈川県建築士事務所協会 相模原支部との協働事業により、所有者の意向に沿った空き家の利活用マニュアルの作成に着手するとともに市民への利活用情報の提供について取り組んでまいります。

【大槻】

国土交通省では、住宅セーフティネット法の改正に伴い、民間賃貸住宅や空き家等を活用した住宅確保要配慮者向け住宅の登録制度や、登録された住宅の改修・入居への支援措置等を内容とする新たな制度の創設を予定している。本市でも、これらの制度を積極的に活用していくべきと考えるが、具体的な市の対応を伺う。

【答弁】まちづくり計画部長

住宅セーフティネット法についてでございます。

住宅の確保に特に配慮を必要とする方々の安定した居住の確保のためには、市営住宅の供給のみならず、民間事業者との連携を図ることが重要であると考えておりますことから、住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅の登録促進を図りながら、住宅セーフティネットの強化に取り組んでまいりたいと考えております。

なお、支援措置につきましては、まずは、本市の現状について、状況の把握等を行うとともに、今後示される基準等を踏まえながら、検討してまいりたいと考えております。以上でございます。

【大槻】

今回の住宅セーフティネット法の改正は、自治体の住宅政策を大きく転換させるだけの内容を含んでおり、有意義な改正だと考える。詳細はこれからだと承知しているが、低所得者、高齢者、障害者、母子家庭など、住宅確保に配慮を要する市民が、「住宅を探し歩いても断られ、生活の安定を求められずに困惑する」という事態が起こらないよう、市営住宅の適正管理と共に、民間住宅の活用を推進され、住宅セーフティネットの強化に取り組まれるよう期待する。

3 自治会加入促進と活性化策ついて

【大槻】

公共的課題が複雑化多様化する中で、今後ますます身近な地域の課題は地域住民自らの知恵や力を結集して解決を図って行くことが求められており、

防犯、防災、環境、福祉など様々な分野で、まさに行政との協働により地域の共助の領域を支えているのが自治会なのではないかと思っている。

人口減少や高齢化の進展に伴い、自治会を取り巻く環境も大きな転換期を迎えようとしており、自治会加入率の低下はもとより、役員の固定化・高齢化、担い手不足といった課題が顕在化してきているように思われる。

(1)自治会加入に関する現状と課題について

【大槻】

自治会加入率の向上に向け、これまでも、市、市自治会連合会、単位自治会などが連携して、継続的に加入促進活動を行ってきているが、啓発効果も限界にきているのではないかと危惧する。

そこで、近年の自治会加入率の推移はどのような状況にあるのか、また、市として現状をどのように捉え、今後どのような方策を講じて行く必要性があると認識しているのか、見解を伺う。

【市長】

 近年の自治会加入率につきましては、指定都市移行時の平成22年度の加入率60.1パーセントに対し、平成29年度は55.3パーセントと、年々低下傾向が続いています。加入率の低下に伴う役員の高齢化や担い手不足などは、安全・安心なまちづくりを進める上での大きな課題であると認識しています。

 昨年度末、市自治会連合会では、若い世代の自治会加入対策の参考とするため、橋本地区小中学校のPTA役員を対象にアンケート調査を実施しました。今後、アンケート結果に基づく、支援の取組を検討するとともに、し自治会連合会との連携基本協定に基づき、新たな加入促進活動の取組について、他都市の事例も参考にしつつ検討してまいります。

【大槻】

若い世代の加入促進についてだが、京都市では、若者の自治会加入促進にも取組んでいるようで、大学や専修学校入学者向けのチラシを作成している。

本市の特性としても、大学が多く立地していることから、大学生をターゲットに、転入時等に加入を進めることや、大学からも自治会参加を呼びかけていただく取組みなども活性化につながると考える。大学との連携についての本市の現状あるいは見解を伺う。

【市民局次長】

 本市では、転入手続きの際に、全ての転入者に対し、自治会活動の紹介や加入申込書を掲載したパンフレットを配布するとともに、加入を希望される場合には、申込書の受付を行っている。

 また、平成26年度から、協働事業提案制度の各事業や自主的な地域貢献活動などに参加する大学生を対象に、大学との連携によるボランティア活動の認定を行っている。

 今後は、連携協定を締結している大学で構成する「大学と市の連絡会議」を通じて、地域活動や市民活動への参加を促していく。

【大槻】

現役世代に対する活動参加の促進に当たっては、勤務先の理解というものも不可欠である。ワーク・ライフバランスの推進に伴い、企業に対しても従業員が自治会活動のほか、PTA活動やNPO活動などの社会貢献活動に参加しやすい環境づくりに努めてもらうことが重要なのではないかと思う。

そこで、市内企業・事業所へのアプローチについてはどのような認識を持っているか伺う。

【市民局次長】

 現役世代の地域活動を推進するためには、企業等の理解や参加しやすい環境づくりも大切だと認識している。

 今後、市自治会連合会をはじめ、市、青年会議所などで構成する自治会加入推進協議会において、企業等への働きかけの方策などについて、様々なかくどから協議していく。

【大槻】

是非、様々な主体へのアプローチを積極的に行っていただきたい。

(2)自治会役員等へのメリットの付与について

【大槻】

自治会においては、活動の中心となる役員の高齢化や職に就いている現役世代の会員が活動に拘束されることを懸念し役員を引き受けたがらないなど、担い手となる人材の確保などの課題があると聞いている。

これまでも自治会では魅力発信に努めているものと承知しているが、単に個々の住人の社会貢献意識の高さに委ねるのではなく、活動への参加の動機付けとなるインセンティブを付与するというような取組みも必要なのではないか。

すでに、健康福祉分野では、「健幸ポイント制度」が導入されているが、こうした制度を活用することや、新たに「地域活動ポイント制度」といったものを創設することにより、新たな担い手の拡充や、活動の活性化を図ることができるのではないかと考える。

また、地域の防犯活動や児童の見守り活動、避難所運営活動の充実や継続に向けても有効なものではないかと考えるが、このような地域活動に対するポイント制度の導入についての見解を伺う。

【市長】

 市自治会連合会では、自治会員への具体的な加入のメリットとして、遊戯施設や人間ドック機関との契約により自治会員専用割引を受けられる仕組みを設けており、今後も対象施設等の充実を図っていくと伺っています。

 市では、自治会の活性化には加入によるメリットと同時に、活動への参加によるメリットも大事であると認識しており、地域活動ポイント制度については、他都市の状況や本市が実施する「さがみはら健幸ポイント制度」の効果等を参考にしながら、その必要性も含めて検討してまいります。

【大槻】

自治会活動へのインセンティブでは、地域活動ポイント制度の創設を提案した。他市事例として前橋市が「まえばし地域活動ポイント制度」を導入している。前橋市の制度の紹介文には、「皆さんの地道でひたむきな取組みを少しでも応援したい、そんなポイント制度です。」と記載されています。

自治会活動の活性化が啓発だけでは限界に来ている状況の中で、市の自治体としての具体的な取組が期待されていると考えます。ポイント制度の具体的な検討を要望する。

4 防災対策について

  1. 避難所倉庫の救助用資機材について

市内小中学校に設置されている避難所倉庫には、避難所運営用資機材以外に救助用工具セットやチェーンソウなどの工具が保管されている。

私も地域の防災専門員として活動してきたことから、これらの救出用資機材は、大規模災害時に自主防災組織が持ち出して救出活動に当たることを目的にしていると承知している。また、エンジン式チェーンソウなどの取り扱いは難易度が高いことからか、自主防災訓練には取り上げられていないようである。

そこで、改めて避難所倉庫に保管されている救出用資機材の備蓄目的を伺う。

また、救出用資機材備蓄の目的を再度自主防災組織に周知する事と共に、取り扱いについての訓練指導を行う必要があると考えるが見解を伺う。

【市長】

 次に、避難所倉庫の救助用資機材についてでございます。

 チェーンソウなどの救助用資機材につきましては、大規模災害時における迅速な人命救助のため自主防災組織などが使用することを想定し、備蓄しております。

 こうした資機材を活用した訓練につきましては、積極的に実施する必要があることから、「自主防災組織の手引き」に記載すると共に、消防職・団員の指導のもと取扱訓練に、取り組んでいただいております。

【大槻】

避難所倉庫の救助用資機材の周知について、具体的な周知の方法を伺う。

【危機管理局長】

救助用資機材活用に関してでございますが、周知方法につきましては、「自主防災組織の手引き」での記載内容の詳細化や「避難所運営マニュアル」に新たに掲載するなどの改訂を致しまして、自治会長会議などを通じ、地域の皆様への周知を図ってまいりたいと考えております。

【大槻】

救助用資機材を活用した訓練指導の状況について伺う。

【危機管理局長】

また、訓練につきましては、地域において、避難訓練や避難所運営訓練など、様々な訓練を自主自立的に行っていただき、市としても支援に努めているところでございます。

こうした訓練の中でも、チェーンソウの取扱いなど、安全の確保や一定の技術習得が、必要となるものにつきましては、積極的に取り組んでいただけるよう、消防職・団員による専門的な訓練指導を行っているものでございます。以上でございます。

  1. 起震車など訓練用資機材の申込手続きについて

市では起震車を3台導入し、煙体験ハウスなどと共に自主防災訓練に活用されていると承知している。

訓練でこうした資機材を使用する際には、6ヶ月前から、予約を受け付けることとなっているが、訓練の六ヶ月前の朝8時に電話しても、予約がいっぱいで申し込みができなかった事例があったと聞いている。受付対応の標準化が図られていないことは公平性の観点からも問題である。

このことについて、私が市に指摘したところ、改善に向けて検討し、一定の取組みが行われたと承知しているが、こうした事態が生じた原因と改善の内容について伺う。

また、地域が訓練を円滑に行うためには、効率的な起震車の運用が必要である。

そこで、起震車および訓練用資機材の年間の稼働状況を伺うと共に、訓練繁忙期のへの対応をどのように考えているのか見解を伺う。

【市長】

 次に、起震車など訓練用資機材の申し込み手続きについてでございます。

 起震車につきましては、訓練実施日の6ヶ月前から各消防署の当直職員が予約を受け付けており、早朝等にも予約受付を行っていたことから朝8時の段階で既に予約が埋まっており、新規の受付ができなかったものでございます。

 こうしたことから、初日の受付開始時間を午前8時30分と定め、徹底を図り、手続きを標準化したところでございます。

 また、訓練用資機材の稼働状況につきましては、昨年度は起震車が238件、煙体験ハウスは75件の利用があり、共に、9月から11月までの3カ月間で年間利用件数の半数を超える状況となっております。

 なお、訓練繁忙期への対応につきましては、地域が訓練計画をたてる際の参考となるよう資機材貸し出しの予約状況の情報提供などについて検討してまいりたいと考えております。

【大槻】

起震車など訓練用資機材の申込手続きについては、申込の適正化にすばやく対応したことを評価する。

答弁では、繁忙期対策として、地域が訓練計画を立てる際の参考になるように予約状況の情報提供を行うとのことだが、具体的にはどのような方法を考えているのか伺う。

【危機管理局長】

 訓練計画策定時の起震車に関する情報提供の内容についてでございますが、過去の起震車の利用月、曜日、時間帯等の利用傾向、集中時期等を市ホームページに掲載することを検討しているところでございます。

 また、定期的な予約申込状況の掲示につきましても、課題整理等を行いまして、検討してまいりたいと考えております。以上でございます。

【大槻】

今後も効率的で、自主防災組織に分かりやすく、また、寄り添った対応をお願いする。

  1. 液状化危険地域について

 ア 公共施設の液状化対策について

液状化は、東日本大震災における被害の中でも千葉県や茨城県などに顕著で、マンホールなど埋設物の突出や構築物の沈下、建物の傾斜など大きな被害となった。

平成26年5月に発行された「相模原市防災アセスメント調査報告書」によると、本市東部直下地震において、新磯地区及び田名地区の相模川沿いが液状化危険度がかなり高い地域とされている。

新磯地区では、JR相模線から相模川側のほとんどが液状化の危険度がかなり高い区域となっており、新磯まちづくりセンター、相模の大凧センター、避難所となっている新磯小学校などの公共施設もその区域内に位置している。

これら公共施設への液状化に対する安全性について見解を伺う。

【市長】

 新磯まちづくりセンター、相模の大凧センター、新磯小学校については、それぞれの建設の際、強固な地盤まで杭を到達させた構造となっているため、液状化に対する安全性は、確保されているものと考えております。

【大槻】

液状化対策についてだが、新磯地区の公共施設は安全であるとの答弁があった。

しかし、建物に被害がなくとも施設周辺の液状化などの被害により、アクセスの問題から施設が有効に使えないことも考えられる。

そこで、道路や下水道などの施設の液状化対策はどのようになっているのか伺う。

【道路部長】

道路や下水道施設の液状化対策についてでございます。

地震等が発生した際の、液状化による道路の段差やひび割れ、また、それらに伴う下水道マンホールの露出などは、災害応急対応の妨げとなるほか、被災者の生活にも多大な影響を及ぼすこととなるため、迅速な道路啓開を進める必要があると考えております。

このため、道路啓開においては、災害時応援活動の協定を締結している建設業団体と連携を図ることとし、下水道施設については、下水道事業業務継続計画に基づき、効率的かつ迅速な対応に努めてまいります。

イ 旧新磯高校の避難所活用について

また、新磯地区では、新磯小学校と相陽中学校が、災害時の避難所と想定されているが、新磯小学校は液状化危険度がかなり高いということで、地域の方々から災害時に液状化被害により避難所として利用ができなくなるのではないかとの懸念を聞いている。

大規模災害時には揺れや液状化でどのような被害が発生するのか未知数である以上、新磯小学校が避難所として利用ができないこと場合を想定し、現在「さがみロボット産業特区プレ実証フィールド」となっている旧新磯高校の体育館等を臨時避難所として活用できるよう県との調整を行うべきと考えるが見解を伺う。

【市長】

 次に、旧新磯高等学校の避難所活用についてでございます。

 避難所の開設に際しましては、建物等の被害状況や安全性を確認することとなっており、液状化などにより開設できないような被害を受けた場合は、他の安全な避難所へ避難していただくこととしております。

 新磯小学校が避難所として開設できない場合に、「さがみロボット産業特区 プレ実証フィールド」となっている旧新磯高等学校を臨時の避難所として活用することは、有効であると考えており、現在、神奈川県と調整を進めているところでございます。

【大槻】

旧新磯高校の臨時避難所利用については、私も地域の声を受け、県の担当者を訪ね調整を進めてきた。市でも迅速な対応がされていることを評価する。

今後、旧新磯高校の避難所利用について県との具体的な調整を行う上で、課題となることは何か、またスケジュールを伺う。

【危機管理局長】

旧新磯高等学校についてでございますが、県との調整において、県にもご理解をいただいているところでございまして、特段の問題はございませんが、夜間等における、門扉の開錠方法や使用時の県との連絡方法などの手順化、ルール化について協議を行う必要があると考えております。

スケジュールにつきましては、こうした協議等を迅速に進めまして、早期に対応できるよう努めてまいります。以上でございます。

【大槻】

県との条件整備を迅速に進めていただけるようお願いする。

投稿日:2017年7月3日