大槻 和弘(おおつきかずひろ)|相模原市議会議員(南区)

宮崎市、日向市行政視察報告(詳細)

自由民主党相模原市議団総務グループ行政視察報告(7月11日〜12日)

1 宮崎市

(1)地域防災訓練手引書について

(2)アプリケーションソフトウェア公式情報アプリ「20do」について

日時:平成29年7月11日 14:00

場所:宮崎市議会 委員会室

宮崎市議会事務局 阪元次長兼議事調査課長より宮崎市及び市議会の概要について説明を受けた。

(1)地域防災訓練手引書について

宮崎市総務部危機管理局危機管理課 杉村課長、中武課長補佐兼防災企画係長より説明を受けた。事前に提出した質問事項に沿って回答いただいた。

①自主防災組織の状況について

〔編成状況および組織率について〕

宮崎市自主防災組織整備推進要綱に基づき、自治会を単位として組織する。隊長1名、副隊長2名、班長5名を基本として、情報班・消火班・救出救護班・避難誘導班・給食給水班で組織する。組織率は、平成29年3月末で84.76%(623組織/735自治会)

〔自主防災訓練の実施状況について〕

実施回数 170回、参加人員 12,698人

参加自治回数 309自治会

地域防災コーディネーターや消防が訓練の支援を行なっている。(地域防災コーディネーター:消防職員OB 再任用職員を市内4箇所に配置し、訓練の支援・出前講座・防災相談を行なっている。)

〔自主防災組織への市の支援策について〕

・資機材交付等の支援については、消防局が行なっている。

昨年度実績:10組織×43万円(資機材種類:別添参照)

・昨年度、県と合同による隊長の研修会を開催。

②地域防災訓練事例集について

〔事例集作成の経緯と目的について〕

・防災活動に積極的に取り組む自主防災組織を取材し、活動が停滞している組織へ情報の提供を行い活性化を図ることを目的とした。

・事例集は、平成27年度作成。

 職員が事前に訓練情報を収集して、訓練当日、現場で取材を行い作成した。

〔製作コストおよび配布状況と効果の検証について〕

・作成コストは、職員が訓練当日の土・日・祝日を返上し作成している関係から時間外手当と庁内印刷による用紙代のみで、低コストで作成した。

・効果についての検証は行っていないが、出前講座等において防災訓練内容の説明に使用したり、地域防災コーディネーターが地域の訓練支援をする際などに、参考として使用している。

③地域防災訓練手引書について

〔発行の経緯について〕

・宮崎市は集中豪雨や台風の常襲地域であると共に、南海トラフを震源とする巨大地震の発生・それに伴う津波被害がそうていされるなど自然災害の脅威にさらされている。しかしながら、大規模な災害が発生した場合、消防・警察・市役所の「公助」には限界があることから、住民1人1人が自らの命は自らで守る「自助」、近隣の人同士がお互いに助け合う「共助」が非常に重要となる。そのため本手引書を活用し防災に関する訓練や研修を重ねるとともに、防災に必要な知識や技術の習得、および地域の結びつきを重要と認識していただくことが必要と考え作成した。

〔編集の目的とポイント、コストについて〕

・事例集を平成27年度に作成したが、さらに防災訓練に取り組み易くするために、初めての方でも訓練の計画ができるように、訓練の種類や心構えを理解できるようわかりやすく作成した。

・コストは、事例集と同様。

〔配布状況と効果について〕

・当初1000部作成し、自治会長に735部を配布、残りを市の出先窓口に配架しているが、すでに出先の窓口から増刷の要望を受けている。

・効果については作成したばかりのため、これからと考える。

〔質疑〕

Q:地域防災コーディネーターの配置や勤務形態は?

A:消防職員OB5名を5年間の任期付再任用として、4箇所の支所等へ配置している。通常は防災以外にも地域政策の業務を担い、週1休の日勤で勤務している。

Q:自治会未加入者の防災訓練参加への対応は?

A:どの自治体においても共通の課題と認識している。

Q:災害時要援護者対策において民生委員の負担が大きいのでは?

A:個人情報保護の観点からも負担の軽減は難しいが、要援護者の災害時対策として、要援護者名簿を自治会長、消防団に公開して支援を求めている。

Q:耐震診断への啓発は?

A:戸建て住宅向けに行なっているが、費用負担がネックとなっている状況がある。

Q:防災資機材の配布状況は?

A:組織化から1~2年以内に1組織あたり48万円程度の資機材を配布している。(別紙資料参照)

〔所見〕

相模原市では、現在自主防災組織の活性化に向けて、「事例集」をまとめている。自主防災組織を担う自治会が様々な課題を抱えながらも懸命に地域づくりに取り組んでいる中にあって、防災活動はある程度の専門性も必要となることからかハードルの高い活動でもある。輪番制で自治会長を引き受けた方や地域活動デビュー間もない方が少しでも防災活動に取り組みやすくするために分かり易いツールを準備することは行政の役割である。

宮崎市の「地域防災訓練事例集」、「地域防災訓練手引書」は、前記の目的を見定め、熱心に取り組んだ職員の方々の成果であり今後の宮崎市の防災力向上に資するものと感じた。

相模原市でも、「防災訓練マニュアル」の作成が行なわれ、地域防災力の向上に弾みがつくよう期待すると共に、今後も必要性を促していきたい。

 

(2)アプリケーションソフトウェア公式情報アプリ「20do」について

宮崎市観光商工部 商工戦略局 商業労政課 日高課長、深田主任および地域振興部地域コミュニティ課 日高課長、渡辺主事より説明を受けた。事前に提出した質問事項に沿って回答いただいた。

①これまでの成人式行事の実施状況および参加者数などの状況について

・宮崎市では、平成17年(平成16年度)から、新成人に地域との関わりを認識してもらうと共に、家族や地域をはじめとした社会全体で祝い励ますことを目的に、成人の日に中学校区ごとで地域分散型の成人式を開催してきた。平成21年(平成20年度)からは、各地域の要望を踏まえ、元旦から成人の日までを「宮崎市の新成人を祝う期間」と定め、全市民が新成人を祝福することができるように、この期間内において、中学校区ごとに地域分散開催方式の成人式を行なうこととしている。

平成29年(平成28年度)からは、アプリケーションソフトウェア公式情報アプリ「20do」にて成人式参加の事前受付や情報発信を行なっている。平成30年(平成29年度)も引き続き20doアプリを活用して様々な情報発信を行ないながら、より多くの新成人に喜んでもらえるような取組を進める。

・過去の成人式の参加者数

平成15年度  出席者数 1314人  出席率 37.6 %

平成16年度  出席者数 2638人  出席率 74.1 %

平成17年度  出席者数 2712人  出席率 76.1 %

平成18年度  出席者数 3349人  出席率 81.5 %

平成28年度  出席者数 3066人  出席率 80.3 %

②「20do」企画の経緯およびポイントについて

・成人式事業の効率化を図る

平成28年度成人式までは、10月に市内に住民登録のある成人対象者に開催日程等の案内と参加意思確認のための返信用はがきを送付し、返信をもとに12月に地区ごとの式典案内を送付していた。(約8,000通)

従来の郵送での参加意思確認の方法については、新成人やその保護者から、「案内を早く行なってほしい」、「住民登録を市外に移したため案内状が届かない」との問い合わせが多かった。

このため、成人式対象者に対し効率的に案内する手法を構築し、はがきの集約や送付に係る人的コストや郵送代を削減する必要があった。

また、宮崎県の雇用情勢として、新規学校卒業者の県外流出が全国ワースト1という状況があり、若年層や保護者に対し、地元の企業情報や宮崎のワークライフの魅力など、効果的に伝えていく必要があった。地元の優良な企業の情報やワークライフの魅力を若年層に特化して行なうことで、地元定着や人材還流を促進していく必要があった。

③経費および費用対効果について

・主な経費については以下の通り、

平成27年度 アプリ開発、ポスター制作などで15,000,000円(9月補正)

平成28年度 アップデート、保守管理、記事配信、ブック制作などで5,000,000円、インターンシップマッチングサイト開発、大都市圏イベント、就活親力向上セミナーなどで10,400,000円(12月補正)

平成29年度 アプリアップデート、保守管理、体験型進学就職イベント(中学生向け)大都市圏イベント、成人式連携イベント、親力就職向上セミナー、記事配信、ブック制作などで30,380,000

・費用対効果について

企画の経緯と同様に、参加意思確認の返信はがきで約2,500通分のコスト削減。

④2017年成人イベントへの効果と検証について

〔大都市圏20doイベント〕

 大都市圏でくらす若者に対して、宮崎の魅力あるワークライフ情報を紹介することで宮崎を見つめなおす機会を創出し、宮崎への就職や居住の促進を図るイベントを開催する。

 平成28年11月 もっとわけもん会(在京大学生県人会)東京 72名参加

 平成29年 3月 地方で幸せに働く方法 東京 47名参加

 平成29年 3月 地方で自分らしく働く方法 大阪 46名参加

〔成人式連携20doイベント〕

 アプリケーションソフトウェア公式情報アプリ「20do」の運用開始後、初めての成人式を迎える、この市出身の新成人の多くが帰省する機会を活かし、「20do」アプリのプロモーションおよび宮崎のワークライフの魅力を若者に伝えるイベントを開催し、地元定着やIJUターンの促進を図る。

 平成29年 1月 20do.FES@MIYAZAKI  市中心市街地 約200名参加

〔就活親力向上セミナー〕

 若者の就職活動に影響力が大きい保護者に対しても、理解を深めてもらうことが重要であるため、就職活動を控える子を持つ保護者を中心に、地元就職や定着について理解が深まるためのセミナーを開催する。

 平成29年 2月 就活親力向上セミナー 市中心市街地 68名参加

⑤その他の波及効果について

〔新成人実行委員による独自のPR活動〕

 各地区の成人式実行委員会に新成人代表として加わっている新成人実行委員がアプリのインストールを促進しようと、自主的にPR動画を制作し、TwitterFacebook等のSNSで情報拡散を行った。

この他、SNSでの拡散効果、若者を事業に巻き込むことでの波及効果、地元企業や誘致企業、高校、大学、専門学校との連携がある。また、イベント参加者の移住促進と意識啓発の成功にもつながった事例がある。

〔所見〕

 説明から宮崎市がアプリ導入を選択したのには2つの理由があったことがわかった。成人式の参加意思確認の効率化による経費削減効果をねらい、若者の県外流出の歯止めツールとしての活用。2つの目的は共に効果が狙い通りに出ていることに、事業目的の的確さが確認できた。

 また、成人式を中学校区に分散し、より身近な地域で地域ぐるみで新成人を祝福する企画も新鮮に感じた。地域分散開催の課題を質問したが、少ない事業費で地域が一生懸命取り組んでいるとのことだった。各地区の実行委員会に式典を委託して、企画・運営を行い、事務局は公民館が担当している。式典に続くイベントには地元の中学生の活躍もあるようだ。

 宮崎の魅力を発信することで若者が宮崎を見つめ直し、宮崎を支える存在になってほしいとの思いが伝わった。若者への情報発信には紙ベース(チラシやポスター)では伝わりにくい、SNSの活用が功を奏している。今後の相模原市の施策の充実に大変参考になった。

 

2 日向市

(1)救急自動車車載カメラ映像伝送による救急医療支援事業について

日時:平成29年7月1210:0012:00

場所:日向市消防本部 会議室

宮崎市議会甲斐議長より日向市及び市議会の概要について説明を受けた。

(1)救急自動車車載カメラ映像伝送による救急医療支援事業について

日向市消防本部吉村消防長、矢野警防課長、池田警防課課長補佐より説明を受けた。事前に提出した質問事項に沿って回答いただいた。

〔車載カメラ伝送システムの導入の経緯について〕

 平成21年度に総務省が実施したユビキタスタウン構想事業(地域ICT利活用推進交付金)に公募し、国の実証実験として採用された事業。(全国で300のモデルが採択)

 日向市では、救急医療機関の支援事業として、救急車に高画質カメラを設置して、傷病者の患部等の映像や血圧、心電図などの車内モニターの生体情報を携帯電話のデータ通信を利用して、いち早く救急病院に伝送することにより病院の受け入れ態勢準備や搬送中の応急処理等について検証することを提案し、「救急車車載カメラ映像伝送による救急医療支援事業」として採択された。

 システム設置の医療機関は、救急外来処置室等に受信端末を設置しており、映像伝送を行いながら携帯電話で詳細な情報を医師、看護師に伝達することができる。

〔導入システムの特徴について〕

・画質の向上

 医療機関では症状を判断するために高画質が重要であることから、独自の画像圧縮技術を開発、救急車の移動体から携帯電話のデータ通信で高画質の映像伝送することを可能にした。

・システムの小型化と低電力化

 パソコンにソフトウェアにて処理できるようにし、システムの小型化と省電力化を図った。

・救急隊員と病院側の操作性

 急務を要する現場のため、パソコンのキーボードを使わない、タッチパネル操作と極力自動化を図った。

・同時に複数病院へ映像を伝送

 データセンターを利用した完全同時複数へのマルチキャスト・ストリーミング配信を行う。

〔事業費及び財源内訳について〕

①システム導入経費

   システム構築費:73,980,000

  ※地域ICT利活用推進交付金にて全額補填

②ランニングコスト

   圧縮サーバー使用料+システム保守費+通信費

   導入当初 年額:約7,200,000

   現在   年額:約3,360,000円(平成28年度)

           ※平成29年度も同額予算

 ○事業費は常備消防費から支出

〔現下の課題及び今後の展開について〕

・経費の削減

・映像伝送の更なる安定化とシステムのバージョンアップ

・携帯電話網整備(不感地帯の解消)

・映像と音声の同時伝送

・画像情報があることを常態化する

・医療機関がわが身安く

〔所見〕

 日向市では、医療圏において小児科や圏域中核3病院で担われてきた二次救急医療施設の医師不足等も重なり、体制維持が困難になっていた。

このような状態を改善する目的で二次救急医療機関の救急患者受入負担軽減と救急現場からのより詳細な情報を医療機関に送ることを目的として、本システムを導入した。

市民の救急体制を構築するために宮崎大学医学部付属病院や宮崎県立延岡病院、心臓疾患に専門性のある今給黎病院など7病院と回線を結んでいる。

視察当日は、説明に加えて指令センターと画像伝送設備を搭載した救急車の見学も行った。偶々発生した交通事故の負傷者搬送時の伝送画像もリアルタイムで拝見することができ、具体的にその効果を確認することができた。

相模原市の救急体制は、2次救急・3次救急共に恵まれた環境にあるものの、救急車が現場到着から中々受け入れ病院が決まらず長時間搬送が始まらないなどの課題もある中、その間の傷病者の状況を医師等と共有する効果は大きなものがあると考える。今後の施策の充実に活かしたい。

投稿日:2017年7月15日



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