大槻 和弘(おおつきかずひろ)|相模原市議会議員(南区)

3月定例会議で一般質問(くらしの安全・安心について質問)

平成31年3月12日(火)に、一般質問のトップバッターで登壇質問を行いました。

くらしの安全・安心について、以下の質問を行いました。

 

1 防災対策について

(1)基幹的広域防災拠点整備について

(2)防災・減災マネジメントについて

(3)命を守る行動訓練について

(4)避難情報の的確な伝達について

2 身近な移動手段の確保について

(1)まちづくり会議での意見について

(2)コミュニティバス導入要望への対応について

(3)庁内横断的な組織体制の構築について

3 在日米陸軍相模原住宅地区について

(1)返還交渉の状況と共同使用の見通しについて

4 特色ある学校づくりと地域との連携について

(1)特色ある学校づくりに向けた支援について

(2)コミュニティ・スクールについて

 

1 防災対策について

(1)基幹的広域防災拠点整備について

東京有明に設けられた国の基幹的防災拠点のバックアップとして、市は、相模総合補給廠の一部返還地を含めたエリアに基幹的広域防災拠点の整備を国に要望しているが、基幹的広域防災拠点の機能に対する考え方と、今後の取組について伺う。

(市長)

 基幹的防災拠点は、大規模災害時に、自衛隊、消防,警察等の応援部隊や、救援物資の集積、分配を行う広域的な活動拠点であり、こうした拠点が、災害時に機能することは、首都圏のみならず、本市の災害対応にも資するものであり、今後とも、内陸である本市において整備されるよう、国へ働きかけを行ってまいりたい。

(2問目)要望

 広域防災拠点整備については、首都直下地震や南海トラフ連動地震などの切迫性が示されている中、スピード感が必要ではないかと考える。

広域防災拠点整備には、その機能や目的を踏まえて、市がしっかり絵をかいて交渉されることが必要でありますし、場所についても一部返還地や共同使用区域にしばられることなく、更なる補給廠の返還にもつなげる視点で対応をお願いしたい。

(2)防災・減災マネジメントについて

 自治体防災実務では、時間的・人的・財源的に限られた条件の中で、最大限の効果を求める必要があり、自治体は防災上の脅威・弱点を把握し、対策の優先順位を明確にし、「人命を守る」という「本来の目的」を指標にするべきと考える。現在、市で策定に取組んでいる、「国土強靭化地域計画」について、こうした考えを踏まえ、防災・減災マネジメントとして活用していくべきと考えるが、見解を伺う。

(市長)

 災害時においては、人命を守ることを最優先として地域防災計画及び関連計画を策定し、訓練や備蓄の拡充、団体等との連携強化、体制の整備などに取組んでいる。

 国土強靭化地域計画の策定にあたり、本市の防災・減災に関する具体の事業について、目標設定、事業評価等のマネジメントを行ってまいりたい。

(2問目)

 本市が策定する「国土強靭化地域計画」のその他の内容など、概要について伺う。

(危機管理局長)

 「国土強靭化地域計画につきましては、国が示すガイドラインを踏まえ、災害時における「最悪の事態」を想定し、「人命の保護を最大限図る」などの基本目標を掲げ、これを達成するために、関連施策の脆弱性評価を行い、評価に基づき、被害を最小限に抑える方策を定めてまいりたい。

(3問目)

 国の「国土強靭化基本計画」は、中長期的に取り組む計画であると考えるが、本市の「国土強靭化地域計画」における計画期間や他施策との関係性について伺う。

(危機管理局長)

 現在、策定中の次期総合計画と整合性を図るため、計画期間を、同様の平成32年度から39年度までの8年間とし、計画に位置付ける事業についても、総合計画の実施計画事業と合わせ、策定してまいりたい。

(3)命を守る行動訓練について

 地震発生直後の行動は、場合により生死を分ける大変重要なものである。地震の揺れから身の安全を守る訓練に、シェイクアウト訓練があるが、本市が以前から実施している「さがみはら1分間行動訓練」との違いについて伺うとともに、地震発生直後の行動に特化したシェイクアウト訓練の普及が有効と考えるが、見解を伺う。

(市長)

 シェイクアウト訓練と「相模原市1分間行動訓練」につきましては、頭部を守り、姿勢を低くするなどの地震発生直後の行動が共通している。

 本市の訓練は、神奈川県が実施する「かながわシェイクアウト」に位置付けられ、シェイクアウト訓練の活動に加えて、避難路の確保と火の始末について、確認いただくものになっていることから、引き続き、普及に努めていく。

(2問目)

 「さがみはら1分間行動訓練」は、学校での避難訓練や市総合防災訓練の際に、ひばり放送で行動訓練を呼び掛けているが、改めて「さがみはら1分間行動訓練」の周知や取組状況、訓練の効果について伺う。

(危機管理局長)

 「さがみはら1分間行動訓練」につきましては、市ホームページや防災ガイドブックへの掲載、自治会掲示板へのポスター掲示などで周知しており、地域の防災訓練でも広く取り組まれているところでございまして、市民に浸透しているものと認識している。

(要望)

 シェイクアウト訓練には、地震発生直後の「頭を守る」という行動が、シンプルで分かりやすいという特徴があるので、「さがみはら一分間行動訓練」の周知にあたり、シェイクアウト訓練の解説を載せるなど、2つの訓練の特徴を生かして、災害時の市民の命を守る行動の啓発に効果が発揮できるような取組についても、検討をお願いしたい。

(4)避難情報の的確な伝達について

 風水害時に命を守るため、まず重要になることは、正確な情報が確実に市民に伝わることと考える。

 災害時に避難勧告等の避難情報を様々な通信環境を活用して情報発信することについての認識を伺う。

 また一方で、通信機器等の操作が苦手な高齢者に対する施策も重要な視点と考えるが、平成30年7月豪雨等、近年の災害を受けて、国においても確実に避難情報等を受け取ることができる防災ラジオなどの戸別受信機の整備を推進していると承知している。

そこで、防災対策にスピード感が求められる中、防災ラジオの整備についても財源確保に向け、国の制度で利用できるものを積極的に活用して、具体的に整備を進めるべきと考えるが見解を伺う。

(市長)

 避難情報の伝達について、文字情報により多様な情報が適宜、正確に伝達、確認ができるようNHKやテレビ神奈川のデータ放送、防災メールや防災アプリによる配信など、伝達手段の多重化、多様化を進めている。

また、こうした機器の操作が困難な方や、様々な状況に対応できるよう、新たな個別の伝達手段の導入について、事業者の提案や、国の支援制度などを踏まえ、検討を進める。

(2問目)

 国の財政的な支援制度で、新たに防災ラジオ等戸別の情報伝達手段を導入するために、市が活用できる具体的なメニューがあるのか伺う。

(危機管理局長)

先般、国から、この事業債よりも財政的に有利な、「緊急防災・減災事業債」について、対象事業の拡充を図った旨の通知があり、これにより、本市が防災ラジオ等を導入する場合も新たに対象となったものと考えております。

(要望)

 防災ラジオについては、これまでも導入の検討がなされてきており、市の課題認識と推進に向けた努力を評価する。この度の、国の支援制度の拡充により、財源的に有利な事業債を当てることが可能となるようなので、是非とも活用し、導入整備に向けた具体の施策の推進をお願いする。

2 身近な移動手段の確保について

(1)まちづくり会議での意見について

高齢者や移動制約者にとって日常の移動手段の確保は、高齢化が進む中、今後の重要な視点と考える。市では、昨年5月から10月にかけて、次期総合計画の策定に向けて、まちづくり会議に出向き、意見聴取を行ったと承知している。その中で、コミュニティバスの導入・乗合タクシーや高齢者の買物支援、移動支援など、地域の移動手段の確保に係るものがどの程度あったのか伺うとともに、それについて、市長はどのように受け止めるのか伺う。

(市長)

 コミュニティバスなどの地域の移動手段に係る対応方策につきましては、ほぼ全ての地区でご意見をいただいている。

日常生活に必要な交通手段を確保することが、地域住民の重要な課題となっていることから、各地域のニーズに応じた移動手段のあり方について、検討を進めていく必要があると考えている。

(2)コミュニティバス導入要望への対応について

コミュニティバスの導入を望む地区は多くあると思うが、市ではどのような関りを持って対応しているのか伺う。また、今後、要件等を緩和してコミュニティバス導入施策を充実していく考えはないのか伺う。

(市長)

 コミュニティバスの導入要望が寄せられた地域に対しては、運行基準等に照らし合わせながら、地域とともに協議を進めている。

 コミュニティバスの運行につきましては、「利用人数」と「収支比率」の条件を設定しているが、今後の条件のあり方については、社会的背景を踏まえながら、持続可能な運行形態となるよう、学識経験者や交通事業者などにより構成されている「地域公共交通会議」等で意見を伺いながら、検討してまいりたい。

  1. 庁内横断的な組織体制の構築について

超高齢社会に突入している中、地域が抱える課題も多様化、複雑化している

特に身近な移動手段の確保には、路線バス、コミュニティバス、乗合タクシーなどの交通施策に加え、買物支援や有償ボランティアなどの福祉施策も含め、所管の垣根を超えた取組により、きめ細やかな日常の移動手段の確保の充実に取り組むべきと考えるが見解を伺う。

(市長)

公共交通は、市民の日常生活を支えるとともに、高齢者等の移動制約者の外

出支援や、地域経済の発展などに欠かせないインフラとなっており、これまでも、福祉、観光、まちづくりなどの様々な分野を考慮して、取組を進めてきたが、次期「市バス交通基本計画」の策定に当たり、各分野が連携した体制により、今後の社会情勢を捉えながら、市民ニーズにあった総合的な交通施策を講じてまいりたい。

(2問目)

 身近な移動手段の確保についてですが、

 コミュニティバス導入要望への対応については、ほぼ全ての地区において

コミュニティバスなどの地域の移動手段確保に関するニーズがある。

また、本市のコミュニティバス導入には、かなりハードルの高い要件を付しているが、近隣の自治体では要件を付していないところが多いと承知している。

市は早急にコミュニティバスの要件緩和を検討すべきと考えるが、要件緩和の検討を行う場合に課題はあるのか伺う。

(まちづくり計画部長)

 コミュニティバスの導入要件の緩和については、コミュニティバスが路線バス等を補完する公共交通であることから、路線バス等との適切な役割分担を図ることができるか、持続可能な公的支援の在り方であるか、といった課題があると考えている。

(3問目)

 要件の緩和については、「地域公共交通会議」で意見を聞くとのことだが、全地区からコミュニティバス導入要望があることを前提に、市が導入促進に向けた政策の方向性を決めて、「地域公共交通会議」で意見を聞くということなのか伺う。

(まちづくり計画部長)

 要件の在り方につきましては、来年度から取りかかる次期「市バス交通基本計画」策定に向けた取組の中で、庁内の関係各課が連携し、多角的な視点から検討を行うことと並行して、「地域公共交通会議」の意見を伺いながら、施策の方向性を決定していきたいと考えている。

(要望)

 コミュニティバスなどの地域の移動手段を確保していくことは、切実な課題となっている。

 いわゆる団塊の世代が75歳以上になる2025年には、本市の高齢化率は27.8%になることが見込まれている。

 22まちづくり区域のうち、30%を超える区域は9つあり、藤野、相模湖、津久井は40%を超えている。また、旧市でも、相武台は36.8%の高齢化率となる。

 このような状況がある中で、市民が安全に安心して暮らせるまちづくりを進める上で、是非とも、切迫感をもって、また、様々な施策を縦割りではなく、庁内横断的に市民ニーズに応えていただくようお願いする。

3 在日米陸軍相模原住宅地区について

(1)返還交渉の状況と共同使用の見通しについて

在日米陸軍相模原住宅地区については、南区御園、相模台、南台などにまたがり、住宅密集地を分断していることから、周辺住民の生活やまちづくりにおいて、長年にわたり影響を受け続けている。

これまでも、市を挙げて全面返還を求めているところだが、返還が難しいのであれば、移転を促してはどうかとの声も聞こえている。

こうしたことを背景に、まずは、いわゆる返還4事案に含まれる、ウォーターフィルタープラント部分と東側外周部分について、現在の状況を伺う。

また、この住宅地区のほぼ中心を横浜水道道が貫いている。歩行者や自転車が住宅地内の水道道を通行できれば、地域の利便性が高まるものと考える。市として、この部分の共同使用を求めているところだが、この見通しについて伺う。

(市長)

 ウォーターフィルタープラント区域及び東側外周部分につきましては、それぞれ公園及び道路を整備するための用地として、国と返還に向けた協議を行っている。

 また、横浜水道道部分の共同使用につきましては、住宅地区を分断するため、セキュリティなどの観点から、現時点におきましては、一時的な利用を除き、国・米軍は難色を示している。

 市としては、引き続き、市米軍基地返還促進等市民協議会とともに、国・米軍の理解が得られるよう求めてまいりたい。

(2問目)

 在日米陸軍相模原住宅地区については、返還4事案には、北西側外周部分を歩行者用道路として整備できるよう返還の要請を行っている。

 当該部分については、数年前より老朽化した住宅の解体撤去が行われ、更地となったところの一部に遊歩道や広場がつくられている様子がある。今後、返還の支障となるような建築物などが整備される懸念はないのか伺う。

(渉外部長)

 跡地については、広場として利用するため、新たな施設整備の予定はないと伺っている。

(3問目)要望

 基地対策は一朝一夕に進むものではないことは理解するが、住宅地区においても、少しでも返還・共同使用が進み、地域利用が向上するよう、しっかりと取り組んでいただきたい。

 その上で、ウォーターフィルタープラント区域は公園としての利用方針が定められているが、返還を促進するためにも、また、返還された場合に、早期に跡地活用に着手できるためにも、具体的な絵を描くことを要望する。

 特に、この区域は相模台地区のいわば「へそ」となる位置にあることから、コミュニティの核となる機能を併せ持つような活用策を期待したいと思う。

 また、住宅地区が返還されるまでの間、住宅地区に住む人たちと地域との交流を積極的に行いたいとの声もあるので、お互いの祭りなどで、気軽に行き来できる関係を構築できるよう、米側に働きかけていただくことも併せて要望する。

4 特色ある学校づくりと地域との連携について

(1)特色ある学校づくりに向けた支援について

本市では、桜台小学校の「桜台美術館」や双葉小学校のように、たくさんの地域の方が先生となって連携・協力し、大きな成果を上げている学校もあると承知している。

全市的にみると、学力保障に課題があり、その対策に傾注していることは承知しているが、学校だけでなく地域と連携していくことで様々な教育的効果が期待できると共に、地域に開かれた学校づくり、特色ある学校につながる意義あるものと考える。

そこで、学校と地域が連携した取り組みに対する認識と共に、特色ある学校づくりを推進するにあたり、どのような支援を行っているのか、教育委員会の見解を伺う。

(教育長)

 学校と地域とが連携して様々な教育活動を行うことは、子供たちの多様な学びの機会増えるとともに、新しい学習指導要領のめざす「社会に開かれた教育課程」を実現するためにも、大変有意義であると捉えております。

 教育委員会としては、現在、各学校の教育活動の充実のために、学校支援ボランティアの募集、支援を行う地域教育力活用事業や地域住民の方をコーディネーターとして学校行事などの支援を行う、学校と地域との協働推進事業を進めている。

(2)コミュニティ・スクールについて

 地域と連携した取組の支援として、全国的に配置が増えているコミュニティ・スクールを、本市においてもモデル校として導入していることは承知しているが、これまでの状況や、地域との連携の視点から大事にしていることについて伺う。

(教育長)

 本市のコミュニティ・スクールの実施状況については、これまで各区に1つずつ中学校単位でモデル校を設置し、保護者や地域住民の代表や学識経験者が参画する学校運営協議会を立ち上げ、それぞれが「小中一貫教育の推進」、「地域・家庭との連携による学力の向上」及び「キャリア教育の充実」をテーマに取組んでいただいている。

教育委員会としては、今後、教育施策の柱の一つとして取組むキャリア教育が、子どもたちに社会や職業との関連を意識させる学習であり、地域との連携は不可欠であることから、今後も学校と地域の連携を進めている。

(2問目)コーディネーターの配置について

 特色ある学校づくりに向けた支援として、地域住民の方から、学校と地域をつなぐ役目のコーディネーターを配置しているとのことだが、学校により地域教育力活用事業や協働推進事業の狙いも様々だと思うが、どのような方をコーディネーターとして選定しているのを伺うと共に、どの程度の学校で配置がされているのか伺う。また、コーディネーターの活躍によりどのような事業が展開されているのか伺う。

(学校教育部長)

 コーディネーターは、学校長からの推薦をもとに、教育委員会が委嘱し、現在、小学校4校、中学校5校、計9校を対象として、15名を配置しております。主に、PTA関係者や学校評議員などが、コーディネーターとして活動している。

 活動としては、小学校におけるゲストティーチャーの依頼や、中学校における職場体験の受け入れ先の開拓など、学校のニーズに応じたボランティアとの連絡調整を行い、地域の教育力を生かす取組を推進している。

(3問目)コミュニティ・スクールの今後の展開と、学校評議員制度への影響について

 コミュニティ・スクールの今後の展開についてどのように考えているのか伺う。

 また、現在、学校評議員会において地域の助言を得ていると承知しているが、コミュニティ・スクールを設置した学校について、学校評議員会はどのように変わっていくのか伺う。

(学校教育部長)

コミュニティ・スクールの今後の展開については、現在のモデル校での成果と課題について、各地域の特性や実態を踏まえた効果検証を丁寧に行い、今後の拡充に向けて検討を進めていく。

また、コミュニティ・スクールを導入した学校については、学校評議員制度をより主体的に学校の教育活動に参画できる学校運営協議会に移行していくことが望ましいと考えている。

(3問目)要望

 学校現場においては取組むべき様々な課題があり、日々、大変な中で教育活動が行われていると思う。

さらに、そういった教育課題の解決もさることながら、同時に教職員の働き方改革も求められている。

だからこそ、これからは学校だけで取り組んで行くというのではなく、地域と共に連携・協働していくことで、様々な課題が解決でき、さらには、特色ある学校づくりにも寄与できると思う。

「キャリア教育」「小中一貫教育」「コミュニティ・スクール」と大きな教育施策が動き出していますが、是非、今後も学校と地域とが連携しながら、地域に開かれた学校づくりを進めていただくよう、強く要望して質問を終わる。

 

投稿日:2019年3月18日